📖【第1章】寂しさがクリックさせた夜(2003年)
第1章 寂しさがクリックさせた夜(2003年)
東京の片隅で、一人暮らしをしていた我。
職場は女子だらけで、お客様も女子ばかり。
話す男子は、たまに来る宅配便のお兄さんくらいだお。
学生時代に付き合っていた彼とは自然消滅し、
気づけば「彼氏いない歴」がずいぶん長くなっていたお。
恋愛の仕方も、だんだん忘れかけていたのだお。
合コン?やだお。恥ずかしいお。
なにより、知り合い同士で「あの人がこの人狙ってる」なんて探り合いが苦手だったお。
そんな時、友達から教えられたお。
「○○っていうサイト、意外とちゃんとした人もいるらしいよ」
……出会い系サイト。
当時はまだ“禁断の領域”というイメージが強かったお。
けれど、その夜の我は、
ほんの少しの興味と、大きな寂しさに負けたのだお。
深夜、ワンクリック。
ガラケーで、初めて出会い系サイトに登録した我。

数人とやりとりする中で、
一番長く続いたのが「彼」だったお。
年上の社会人で、たぶん年収高そうな感じだったお、
メールの文章は丁寧で、毎日マメに送ってくれたお。
見た目は特別イケメンじゃないけれど、
小綺麗にしていて清潔感があったのだお。
なにより、「我の話をちゃんと聞いてくれる人」だったお。
その頃の我にとっては、それだけで十分すぎるほど魅力的だったお。
最初のメールが届いて数日後、
彼からこう言われたのだお。
「今度、良かったらお食事でもどうですか?」
ドキドキしたお。
でも、会ってみたいとも思ったのだお。
なぜなら、もう何ヶ月も“男性とちゃんと会話していない”生活だったからお。
だから、思い切って返信したお。
「いいお。楽しみにしてるお^_^」
──ここから、我の
「ちょっと苦くて、ちょっと切ない出会い物語」が
始まるとは、
その時はまだ知らなかったお。
【To be continued…】